2018年1月3日水曜日

ゆくとしと来る年

2017年はかなり慌ただしく、混沌とした1年だった。

バリに出発する2週間前に娘の病気のことがわかり、ヨーロッパから持って行く薬の確保や税関対策、現地での病院の確保などなど家族や同僚と連携プレーでなんとか出発した。

フィールドワークは結果的にうまくいったのだけれど、根を詰めすぎたせいか途中であやうくバーンアウトになる直前までいった。おそらく疲労で1週間話せない・食べられなくなるくらいの人生最悪の口内炎ができたり・・・。結果は出たけれどかなりインテンスでストレスフルなフィールドワークだった。

オランダに帰ってきてからも、学会にでたり論文を仕上げたり教えたり・・・と仕事が休まることのない中、新しく借りた家にうつり、娘はオランダの現地校に通い始め、それをできるだけサポートしようと私もオランダ語を(数年のオランダ生活を経てついに)習い始め・・・。

そしてこんなところで書くのはかっこ悪いかもしれないけれど、年の始めから1年くらいお付き合いしていた彼とも年末にお別れすることになってしまった。混沌とした1年間、娘を含めて私たちを受け入れてくれ、サポートしてくれた彼だったのだけれど、オランダに帰ってきてから私が借りた小さな家に実質的に3人で住むことになったのが急すぎたのだと思う。娘もかなり懐いていたので、私たちが別れることで必然的に彼女にも影響が出ることがとても辛かった。「普通」の生活、家庭を彼女に与えてあげられないことが、すごく情けなく、悔しかった。

占いなんて普段は気にしないのだけれど、毎年元旦にお参りにいく神社ではおみくじをひく。今年のおみくじには「辛いことや苦しいこと時期があっても、それは神が与えた試練であり、自己の行為を反省し、心をみがき、誠心をつくして、家庭を守り仕事を大切にすれば、新しい道が開ける」というようなことが書いてあり、なんだか見透かされたような気分になった。

私も一人の人間。常にいっぱいいっぱいで頑張り続けることはできない。子育てをしていても、人間関係でも、仕事でも間違いはするしまだ未熟なところも多いけれどそれでもいい。そして、2018年はもう少し穏やかな年にしたい・・・。

今年の目標は、
1)自分の内面に目を向けること。
自分の限界を知ること。責任感や義務感にとらわれて忘れてしまいがちな、自分の感情や体調に耳を傾けてやること。日常生活の小さいことから大きなゴールのレベルまで、「自分がやりたいこと」を意識すること。

2)感謝をすること。
「ないもの」や「失ったもの」ではなく、「今あるもの」「今もっているもの」に目を向けて精一杯尽くし感謝する。それは過去を振り返ったり、後悔の念にとらわれたりしてしまいがちな時に、「今」に集中し「今」を精一杯生きることでもある。例えば、今の私にはいわゆる「普通」の生活や日本でのぬくぬくとした家族との生活はないけれど、自分で選びとった道を行っているし、オランダで不自由ながらも精一杯やりたいことをやっている。周りの人たちも、足らないところや不満があるところにはある程度目をつぶり、良いところ尊敬できるところにフォーカスして感謝をしたい。

3)自然体でいること。
強がったり、大丈夫できてますというふりをするのではなく、弱い自分も、できないかっこわるい自分も、人に見せるのを恐れない。弱っている時は弱くてもいいし、できないことがあってもそれでいい。背伸びしたような感じで始めたPhDももうすぐ2年(半分)が過ぎるので、そろそろ背伸びはやめ。自分の実力をつける努力は怠らず、でも自分の力が足りない部分はそのまま見せていい。それができるのはこの2年で同僚や友達とのある程度の信頼関係(自然体でいても、受け入れてもらえるという)が築けたからなんだと思う。

2 件のコメント:

  1. ひょんな偶然から、こちらのブログにお目にかかり、最初から読ませて頂きました。
    私には子供はいませんが、一女性として同感出来る、あるいは性格の面で共感できる部分が幾つかあり、また一女性、いや、人間として貴方には脱帽です。
    『子供は親の背中を見て育つ』と言いますが、娘さんはひたむきに一生懸命自分の選んだ、たとえそれが時には茨だらけであろう道を歩むお母様を見て、今は子供心なりに、そして大人になっても、誇りに持つことでしょう。
    私も、貴方と形は違いながらも、茨の道をここ数年歩いています。小さな幸せを見つけては、程なくしてその幸せが粉々に壊れ、心が何度も折れそう、いや、折れました。正直、もう立ち上がりたくないと言う時も最近ありました。でも、明けない夜などないのです。時間は掛かりますが、道は必ずいつか開きます。
    通りすがりの者が厚かましい事を申し出す事を覚悟の上、じっくりとお話ができたらな、と思わずにいられません。もしご縁がございましたら、お便りください。
    どうか、貴方と娘さんにとって穏やかで幸せ溢れるお年になりますように。
    墨嘩
    sumika_paris@yahoo.co.jp

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    1. 墨嘩様

      私の独り言のような拙いブログを読むために貴重な時間をとっていただき、またコメントも、ありがとうございました。

      挫けそうになったり躓いたり恐怖で前に進めなくなってしまったりする時に救ってくれるのは、あなたがおっしゃる通り、「明けない夜はない」「道は開ける」と自分の人生とか運命に対する信頼だと思います。その信頼があってこそ、くさることなく、少しずつでも、前に進めるのだと。

      「通りすがりの者」とおっしゃられましたが、そんな「通りすがりの」あなたの言葉に励まされあたたかく穏やかな気持ちになりました。

      墨嘩さんは、どんな人生、どんな道を歩んでこられ、今どこに向かって歩いて(もしくは休んで)おられるのでしょうか。もしかして今パリに住まれているのですか?

      また、お時間のある時にお聴かせください。あなたにとっても、思いの叶う年でありますように。

      (いただいたメールアドレスにメールをしたのですが、なぜか届きませんでした。もしよければpocoapoco719@gmail.comにメールをください)

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