ジャカルタは渋滞がひどい。
私が今滞在しているのはジャカルタの南の方の地区なのだけれど、一度夜にセンターに出かけた時なんて、たったの8キロだったのにタクシーで1時間かかった。「これなら歩いた方が早かったかも」なんて友達と言いながら。
前にも書いたけれど、こういう国の「酷い」交通事情は、私はそれほど嫌いじゃない。というのも、交通機関の中で「空き時間」ができ、いろいろと普段は考える時間のないことに想いを巡らせたり、タクシーの運転手さんと話したり、誰かと一緒なら「進まんね」とか言いながらのんびりと話ができるから。
ライデンの同じ研究機関で働いている同僚を通じて最近知り合ったばかりのPさんが、私たちを車で送り届けてくれた時もそうだった。車に揺られながら、なぜかPさんが2年前に真剣に付き合っていた人の話になった。結婚間近の関係だったそうなのだが、別れてしまったのだという。「何が起こったの?」と聞くと、「Maybe I was not ready for the distant
relationship. Maybe I was not ready for such a commitment.」詳しい事情は知らないけれど、その後Pさんは複数の浅い関係を繰り返し、2年前の彼女と戻りたくても彼女にはもうその気はないという。「So you think she was the right one.」と聞くと、苦笑いをしながらyesという。励ますつもりも特になかったのだけれど、私の口からは「But it doesn't necessarily mean that there is only one right one.」という言葉が滑り出ていた。
知り合いの男の人(20代後半〜30代前半)の人で最近こういう話をよく聞く。「コミットメント」をする準備ができなくて、彼女と別れ、その後やっぱり彼女が「the right one」だったと気づくが、彼女の方はもう前に進んでいて、手遅れでしかない。でも、私は「the right one」は世界に一人というわけじゃないと思うし、「the right one」とは「the one of the right timing」でもあると思っている。どんなに相性がよくても、タイミングが合わなければうまくいかないこともある。人と人との関係を育てていくためには、もちろん改善したり維持していく努力も不可欠だけれども、どれだけうまくいかせたいと思ってもうまくいかない時もある。そういう時は、静かにとまって、流れに身を任せるのがいい。
「(二年前の元)彼女から返信がこない」と苦い顔をしているPを見ながら、そんなことを思っていた。
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