2016年7月25日月曜日

庭の手入れと基礎づくり

泊めてもらっていた家の庭。

バリでは2週間、知人の家に泊めてもらっていた。なかなか眠れなかったパリからのフライトで疲れていた初日、広いベッドで思う存分寝かせてくれ、次の日の朝ごはんにお粥(インドネシアではbuburといい、朝ごはんとしてはかなりメジャー。揚げた玉ねぎや、鶏肉、鶏肉からとったスープなどと混ぜて食べる。)を出してくれた時には本当に心も身体も温まった。「ああ私の身体はこれを欲してたんだなあ」というのがよくわかった。
その知人というのは、オランダ人でインドネシアの歴史を研究してきた女性。彼女はバリ人の男性と結婚しバリにもう数十年住んでいる。これからバリが研究をしていくフィールドになるのだけれど、今回バリが初めてだった私に、バリの慣習(アダットadatという)を見せてくれ、毎晩質問する私に説明してくれた。たまたま重なった私の誕生日には、美しいビーチに連れて行ってくれ、冷たいビールを飲み、それから彼女の家族お気に入りの日本料理店に連れて行ってくれた。久しぶりに納豆と、えび天丼、ほうれん草のおひたしなどを食べた。

バリでの最後の日、何かお礼がしたくて、彼女の家の大きな庭の手入れを手伝わせてもらった。彼女の庭の土は雨が降るとすぐに固まってしまうらしく、定期的に肥料と混ぜて土を柔らかくする必要があるそうだ。木や植物の根っこを傷つけないように気をつけながらシャベルで庭の土をほぐし、買ってきた肥料と混ぜ、またほぐして整えていく。ジリジリと照りつける太陽の下で、汗だくになりながら、カエルとか赤いアリと戦いながら、黙々とする作業は、なんだか心地よかった。作業をしながら、こういう基礎作りをするための作業を私はちゃんとしてきているだろうか、と疑問に思った。私は、目標を決めてそれに向かって速く、速くと足を進めていく方で、「生き急いでいる」と言われたこともあった。それは私が努力をする原動力になっているわけだけれど、はやくあそこにたどり着きたい、と思うばかりに寄り道をしたり、足元をみながら一歩一歩歩いていくことをしてこなかったのではないか。でも・・・。こうやって作業をしていると、庭の木が、植物が大きく育ち長く生きるためにはしっかりとした土台が必要なのだとわかる。そしてその土台づくりという地味な作業も、やってみると心地良い。

そんなこんなで夢中になっていると、2−3時間がたっていた。「おかげではかどった。ありがとうね!」と言われたけれど、お礼を言いたいのは私の方だった。



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