2014年2月26日水曜日

子育てと仕事の両立が大変じゃない理由

私の娘は、毎月約1週間、パパのところで過ごす。

娘と離れて過ごす1週間。普通のママなら、喉から手が出るほどほしい“休暇”かもしれない。

私の周りの人も、「今のうちにゆっくり休んでおきなよ」とか、「いい骨休みになるね」という反応をする。

でも大抵、娘がいなくなると私は、針をぷすっとさされた風船のように、しぼんでしまう。

娘のいない生活と、娘のいる生活を毎月経験する私は、その2つの違いがよくわかる。

子供の世話というのは、たしかに時間はかかるし、体力も使うし、精神力も必要だ。

「大変だね〜」「よくがんばってるね」と労いをかけられたり、「スーパーウーマン」を呼ばれたりするという周りの反応も、当たり前なことなのかもしれない。

残念ながら、私はスーパーウーマンじゃないし、子育てはそんなに大変じゃない理由を説明してみる。

1.     子育てに費やすエネルギーにまさるエネルギーを、子供がくれる。
朝、娘のためにいつもより2時間早く起きる。でも娘と食べる朝ご飯はどんな豪華な朝ご飯よりもエナジーチャージになる。

2.     子供と過ごす時間を生活に組込むことで、努力しなくてもライフとワークのバランスがとれる。
私はもともと、ワークに100%費やしたい人間で、ライフの部分を意識的につくるのが下手だった。でも子供ができたことで、保育園のお迎えの時間である6:30には、どんなことがあっても仕事を終わらせることになった。子供を保育園に預けている時間はワークに集中し、その後は子供との時間でリラックスすることで、ワークも効率的にできるようになる。

3.     みんなが手を差し伸べてくれる。
娘を連れてみんなで食事なんかをすると、頼む前に誰かが娘を抱いて遊んでくれている。娘の取り合いになって、みんな娘の気をひこうと必死になっていたことなんかもあった。

4.     子供とともに、あなたも成長する。
精神的にも、体力的にも、親になったばかりの頃は自分の「キャパシティ」に不安になることもあると思う。実際、私も、人を一人「つくり」「育てる」ということの重大さに圧倒されていたこともある。正直に言うと、今でも、ある。でも、私はどんな親でも、親になる前にその準備ができていた人なんていないと思う。最初は誰だって不安だと思う。でもそれでも子供は産まれる。そして、大きくなっていく。親は、それに追いつこうと必死にもがく。そうしているうちに、知らないうちに、親も成長し、先ほど言った「キャパシティ」というのも大きくなっていくものだ。と思う。


こういった理由で、私がスーパーウーマンだからいわゆる「両立」ができているわけじゃない。親ならば、そして環境を整えれば、誰でもできることだもん。


大学の友達の1人に、ウズベキスタン人がいる。

その子と話していて研究しながらの子育ての話になった時、彼女がなんともなく「いいなー」と言った。「羨ましいな」と。

この話題になった時は、「すごいね」と賞賛の言葉をかけてくれる人が多いから、新鮮だった。そしてなんだか、しっくりきた。

だから、「すごいね」よりも、「いいなー」が正しいし、嬉しい。



もちろん、子供をもつことで失ったこともある。

娘のいない生活と、娘のいる生活の違いとしてよく思うのは、娘がいる生活は「大きな荷物を背負って行動している」ようなもの、ということだ。

言葉通り、10kgの子供を抱えて行動しているわけだけれど(笑)、そういう意味ではなくて、「行動に制限ができる」ということ。

どこかへ行くにも、子供と行けるところ、時間、方法でないといけない。

仲のいい友達に飲み会に誘われても、子供の体調や寝る時間を優先して行かないと決める時もある。

そして、何よりも、自分のことを考える時間をとるのが難しくなる。

でも、不思議なことに、今の私はそれらを子供のために自分が払っている「犠牲」だと感じていないこと。

それくらい、自分の子供というのは、愛しいもの。

他の何よりも誰よりも大切で、その人のために失ったものも犠牲とも思わないような人間が私にできるなんて、私にそんなふうに人を「愛する」能力があるなんて、知らなかった。

そして、そんな存在がいること自体が幸せで、それほど、幸せなことはないと、今率直に思う。

娘は、私の「幸せ」の定義を変えてしまった。